小学五年生の英語教育にankiを取り入れてみた

何が最適解かはわからないけど、とりあえず小学5年生の英語教育にankiを取り入れてみたよ、というお話です。試行錯誤中。

ankiとは?

ankiというアプリケーションはご存知だろうか。人間の中長期の記憶が、時間の経過とともにどのくらい忘れられていくのかを示す忘却曲線というものがある。

上記の図を見てほしい。横軸が日数、縦軸が記憶率である。記憶した内容は時の経過とともに徐々に忘れられていくが、適切なタイミングで復習をすることにより、忘却のカーブがなだらかなものになっていくことがわかる。ankiというアプリケーションはこの考え方に則って作られており、アプリ側で適切なタイミングで復習をさせてくれるという優れものなのだ。僕自身、数年前からの英語の学び直しに活用しており、アルク社の作成した英単語リスト「標準語彙水準SVL12000」などの暗記に使用したのだが、その成果はすさまじく、このアプリが学生時代に存在していたら…と何度思ったことか知れない。

同じような考え方によって作られたPSSというソフトウェアもあり、ずいぶん前から高い評価を受けているが使ったことはない。

魂胆

さて、小学5年生の話に戻る。我が家の長男であるところのまめ(10)も、少しずつ学校で英語教育が始まっているようだ。教科書を見るに会話重視であるらしい。(この教科書には各ページにQRコードがついており、関連した動画や音声を聞くことができるのだが、ただ再生することができるだけで早送りも巻き戻しもできず、使い勝手がとてもとてもよくない…というのはまた別の話)例文にいくつかの英単語が載っているけれど、それを記憶させることまでは学校でやっていないようなので、折角だからankiを使った学習を習慣化させてしまおうか、という魂胆なのです。

簡単なフレーズを登録して覚える形でも良いのだけど、今回は授業などで触れた単語を、表面は英語・裏面に語彙と例文を登録する形で作ってみたいと思う。

ankiのインストール

windows版、android版は無料、iOS版は3,000円。ankiの何が良いって、anki webにログインして同期をすることで、複数の端末で教材や進行状況を共有できることだ。我が家ではwindows版とiOS版を使用しており、主にwindows機で教材を作成し、iOS端末で実際の学習を行っている。3,000円とiOSのアプリとしては高額な部類となるので、windows版などで試用してからの購入をお勧めしたい。

教材作成

今回の場合、すでに僕自身の学習のために作成済みのSVL12000語の単語と例文・音声があったためこれを使用したが、新規に作成する場合はこれらを入手して教材を作成しなければならない。最低限必要なのは、単語のリスト・語彙だが、例文・音声も欲しい。

英単語のリストについては、とりあえず前述のSVLを使ってもよいだろう。ただしtypewriterのように、すでに死語と化しているようなものも一部には散見されるけれど。その他市販の単語帳でもいいけれど、最終的にはCSVの形にしたいのでデータとして取り回しができるものがいい。

上記で作成した英単語のリストに、語彙や例文や音声も追加したい。いくらでもやり方はあると思うけれど、以下に僕が以前参考にさせていただいたものを。少し古いけれど今も使えると思う。


rubyu.hatenablog.com

ei-raku.com

僕は別な方法で音声ファイルも準備できたが、無い場合は端末に発音させてしまえばよい。この辺りは使用する環境によって違うのだけど、下記のサイトが参考になると思う。

www.ankiyorihajimeyo.com

kunipon.com

教材の素ができたら、CSVの形にして実際にankiに取り込んでみよう。前述のとおり、僕は単語カードの表面が英語、裏面が日本語の語彙と例文というようにした。

ei-raku.com

これでankiに教材が登録できた。SVLを使用していれば、12,000語の単語の教材ができたはずで、将来的にこれをすべて覚えた時に少しは自信が付くはずだ。とはいえ、むやみに詰め込んでも効率が悪いので、授業などで習った単語だけを学習に組みこみたい。

習った単語だけをankiにインポートしてもいいのだけど、それだと都度作業が発生して面倒なので、いったんインポートした上ですべての単語を保留にしてしまおう。保留にされたカードは日々の学習には出て来なくなる。こうした上で、学ばせたいカードだけを保留解除してあげると、学ばせたい単語だけが学習に組みこまれていくことになる。

実際に学習に取り入れてみて

学習に組みこんで一週間ほどが経った。毎日(できれば)5つの新出単語と復習をするようにしている。まずは表面の英単語を見せて意味が分かるかを確認し、分からなければいくつか使用例をヒントとして与えてみる。その後、裏面にある語彙を確認し、例文を一緒に何度か流暢に言えるまで発音。表面でノーヒントで語彙がわかれば「簡単」か「正解」、ヒントありでわかれば「正解」か「難しい」、ヒントありでも分からなければ「もう一度」を選択してそのカードを終える。

こうした学習の中で、いくつか気付いたことなど。

  • アルク社の究極の英単語の例文を使っているのだが、小学5年生のまめ氏にはまだ少し難しい。
    まあ、まだ文章らしい文章を習っていないのでそりゃそうである。多少の難しさであれば「そういうもの」としてrepeat after me!していて、英文を発音することで今後文法を学ぶための下地ができていると思っている。割合は少ないけれど、今のまめにとって難しすぎると思える例文についてはこちらで編集して、より平易か、実際に授業で出た文章に書き換えたりしている。
  • 日本語にない概念は難しい。
    そりゃそうだ!仮になんとなくわかっても、それを言語化するのが難しい、というのは目からウロコ。例えばforのような前置詞など、日本語にない概念は当然理解しづらい。こういうものの理解のためにも、例文と例文の音読は必須だと思う。forで言えば、for youとかfor meとかfor himとかfor herとか、どのように使われるのかをしつこく一緒に口に出してみている。
  • 学習は楽しく!
    楽しくないと続かないし、楽しいと頭に残ったりするんですよね。例えばOur car is very old and slow.なんて例文を読んで、まめ氏はゲラゲラ笑うんですよ。僕も笑いを誘うような発音をするんだけど。で、肝心のourという単語は覚えてなかったりするんだけど、very old and slow!ってフレーズは何となく覚えてるようだし、今はそれで良いんじゃないと。
    This is your job, not mine.なんて例文も、「冷たい!」って言ってゲラゲラ笑うんですよね。今はそうやって、楽しんでくれることが一番だなあと思っております。

今後の展望

今はまだ僕が100%サポートしないとだめで、これはある程度文法を理解するまで続ける必要があると思う。学習に付き合うことで、教材の不備もわかるし得手不得手もわかるので、これはできればだいぶ先まで続けたいなあと思っている。

あとは、文法を理解するためにも、単語だけではなく授業などで出てきたフレーズも学習に取り入れたいと思っている。これはいわゆる瞬間英作文の形にするのがよいのか、または別の形がよいのか、しばらく悩むつもりだ。

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